第一章 問題関心

現在、商業の郊外立地化やモータリゼーションの発展によって、中心市街地や商店街に賑わいが失われ、日本の至る地域で活性化が叫ばれている。神奈川県平塚市では「平塚市中心街まちづくり計画‘サンライズひらつか21’」と銘打って、まちづくり事業を行っている。また富山市も例外でなく、空洞化した中心市街地を盛り上げるため、中心市街地活性化を重要な課題と位置づけて、1998年より事業に取り組んでいる。

富山市は、その取り組みの一環として、2007年に中心市街地の賑わい拠点とすべく総曲輪に「グランドプラザ」を建設した。このグランドプラザでは、オープンから現在に至るまで多数のイベントが催されている。グランドプラザのイベントの種類は実に様々で、グランドプラザは幅広いイベントに対応した、子供から大人までが集えるイベントスペースとして機能しているように思える。

以前グランドプラザを通りがかった際、当時たまたま行われていたイベントに参加したことがあったが、かなりの賑わいを見せていた。グランドプラザのイベントは、これまでのイベントの枠を超えた新しさや可能性が秘められているのではないだろうか。こうしたオリジナリティー溢れるイベントや、人の賑わいを街中に創出できるのも、グランドプラザという場ならではの秘密が隠されているのではないだろうか。 

 本論文では、グランドプラザで行われるイベントの実態と、イベントスペースとしてのグランドプラザやその独自性について探っていきたい。

 

調査概要

 グランドプラザの概要や設備の特徴などについては、グランドプラザ運営事務所スタッフの山下裕子さんへのインタビュー調査を行った。また、補足的に株式会社まちづくりとやまの佐伯哲弥さんへのインタビュー調査も行った。

 また、グランドプラザのイベント使用者である富山大学芸術文化学部教授の丸谷芳正さ

んとインテリア雑貨店「CHILLING STYLE」オーナーの大澤寛さんにインタビ

ュー調査を行った。