1章 問題関心

 

現代では新聞やテレビ、インターネットなどさまざまなメディアから情報を得ることができ、すぐに最新情報を得ることができる。それに比べてラジオというのは、昔から存在しているメディアだが、災害時などには注目されているが、それ以外ではそれほど重要なメディアとして捉えられていないように感じる。一方最近では、携帯電話にラジオを聴くことができる機能がついたり、ラジオとインターネットが連動している番組というものもあり、新しいメディアと結びついている。また、近年コミュニティFM放送という全国放送ではない、市町村単位など限られたエリアでしか聞くことのできないラジオ局が次々と開局されている。この富山県にも、1996年にラジオたかおかが開局したのを皮切りに4局のコミュニティFMが存在している。コミュニティFMは地域の身近な情報を得られるということが特色にあると思うが、それは実際に地域にとってどのような役割を果たしているのだろうか。広範囲の地域をエリアとするラジオ放送と異なった、コミュニティFMにしかできない放送というものはどういうものなのか。具体的に地域に密着した放送にするためにどのようなことが行なわれているのだろうかという点に注目していきたい。

また、ラジオ番組ではメールや電話、FAXを通して視聴者が参加できるような双方向性の番組が多いという特徴にも注目してみたい。現代においてラジオというメディアはどのような役割を果たしているのかということをコミュニティFMを通して考えることができたらよいと思う。本論文では、富山市を主な放送エリアとしている富山シティエフエムを調査することにより研究を進めていきたいと思う。