日本語学講読  (2単位)
2〜4年対象 前後期継続(月曜4限) 担当教員  中井精一
授業のテーマ 日本語の社会言語学的研究
授業概要(目的・ねらい)

 日本語のバリエーション研究は、近代以降地域バリエーション(方言)に注目して研究がすすめられてきた。たしかに人々が日々何気なく使用することばも注意深く観察すれば、地域社会の暮らしのあり方や価値観などが強く影響していて、意外な発見をすることも少なくない。そして地域社会のあり方は、自然環境や社会環境をもとに長い時間をかけて形成され、それらの地域特性は、言語や言語意識に顕在することはめずらしくない。
 都市にはさまざまな人々が出入りし、周辺部に比べて流動性の高い社会を構成する。しかし一方でそこで暮らしている人々は商店などを営み、何世代にもわたってそこに住み続けていることも多く、歴史的連続性をもった社会でもある。
 本講義では、長い時間をかけて形成された都市の社会的規範と言語バリエーションとの関係にテーマを絞り、西日本地域の代表的地域として近畿地方中央部を、また地元である北陸地方おおよびこれとの比較を目的に東日本諸都市を対象とした言語動態調査に取り組む予定である。

理解度達成目標 多くの関連文献の読破と調査データの整理(表計算ソフト:エクセルの使用とGISソフト:MANDARAを用いた言語地図作成)を通じて、社会言語学の基礎作業ができるようになる。
授業計画(授業スケジュールと計画)

1. 社会言語学の基礎理論
2. 大量アンケート調査の方法
3. 調査データの集計と分析の方法1
4. 調査データの集計と分析の方法2
5. 言語地理データ特徴とその整理法1
6. 言語地理データ特徴とその整理法2
7. 都市言語の方法とその視点1
8. 都市言語の方法とその視点2
9. 日本の都市(江戸と上方)と言語
10.北陸の都市と言語
11.調査票の作成
12.調査票の作成

13.調査計画の立て方とその準備1
14.調査計画の立て方とその準備2
15.まとめ

テキスト,教科書,参考書など 使用しない。
成績評価の方法 平常点とレポート
備考  
 言語と文化 (2単位)

 2〜4年対象 前期(火曜1限)

担当教員 中井精一 
授業のテーマ 富山県および北陸地方のくらしと方言について関西中央部と対照させることで考えてみたい。 
授業概要(目的・ねらい)

 富山県や石川県などの北陸地方で、ところてんは、食事の副食として添えられているが、関西では黒蜜をかけておやつとして出され、酢醤油で食べることは少ない。また、富山県で販売されているカマボコの多くは、板のない渦巻きカマボコであるが、関西でそれを見かけることはほとんどない。

 正月の雑煮に注目すれば、富山県東部ではフクラギやサバなどを使用するが、富山市などの県中央部ではエビやすり身に代わる。砺波や高岡などの呉西では鶏肉を使用するが、小矢部以西では餅と薬味以外の具材はほとんど入らない。同じ名称であっても内容が同じとは限らず、個別地域の特性がその内容を左右している。

 物が同じで名前の違うものとしては、中華まんじゅうを関西では豚まんというが、富山では東京と同じく肉まんの例を挙げることができよう。諸外国から見ると我が国はまことに狭い国土ながら、地方ごとにさまざまな習慣や方言がある。

 講義では、日本国内にある地域的特徴に注目し、富山県を中心にした言語と文化の関係について社会言語学的に考えてみたいと思う。

 
理解度達成目標 

とばに内在する思想や文化的背景を認識し、日本文化の奥行きと広がりについて深く理解する。

授業計画(授業スケジュールと計画)

授業は、配布資料とパワーポイントをつかってすすめる。

スケジュールは、以下のとおりである。

 

1社会言語学の特徴について@

2社会言語学の特徴についてA

3日本語の地域性とことば@

4西日本のなかの北陸地方

5北陸地方の歴史とことば

6北陸地方の自然環境とことば

7北陸地方の文化とことば

8日本社会の変化とことば@

9日本社会の変化とことばA

10都市化とことば

11世代差とことば

12男女差とことば

13富山県の多言語表示と言語景観

14社会特性とことば

15データの収集とその整理方法について 
テキスト,教科書,参考書など  教科書は、町田健編 中井精一著『社会言語学のしくみ』研究社 2005年刊行 を使用する。
成績評価の方法 

授業での取り組みならびにレポートを総合して評価する。

備考   
 基礎ゼミナール (2単位)
 1年対象 前期(木曜2限) 担当教員 中井精一
授業概要(目的・ねらい) この授業は皆さんが大学での生活を円滑に始めることができるように、
大学生として基本的な姿勢を身につけることを目的としています。
また、学習を進めるにあたって必要となる基礎的なスキル(リテラシー)を
習得することを目的としています。
さらに、担当教員や仲間と豊かな人間関係を築き、社会人としての基礎固めを
しながら、自らさまざまな問題に取り組む力を身につけることも目標としています。
理解度達成目標  ・自分で問題を発見し、自分自身の興味・関心に基づいて調べることができる。

・文献や資料の探し方、図書館の使い方、文献やデータの読み取り方やまとめ方を身につける。

・調べたり考察したりした結果を論理的な文章にまとめることができる。

・ディスカッションに参加し、他者の意見に耳を傾け、自分の意見を述べることができる。

・簡単な口頭報告やレポート作成ができる。

授業計画(授業スケジュールと計画)  

この授業では、「私たちは、今、どのような社会に暮らしているのか」をテーマにして、
資料収集の方法や読み方を、現地見学などをまじえつつ学び、レジュメやレポートの作成から
プレゼンテーション、質疑応答・討論に至るまでの一連の取り組みを体験してもらいます。

 

1回 全体オリエンテーション

第2回 自己紹介、授業の進め方とスケジュールの説明

第3回 テーマの設定と資料収集・整理の方法

4回 学外実習(博物館での資料収集)

第5回 レジュメの作成・プレゼンテーションの方法

第6回 グループ発表@

第7回 グループ発表A

第8回 図書館ツアー

第9回 フィールドワークに挑戦

第10回 レポート・論文の書き方の基礎

第11回 レポートの発表@

第12回 レポートの発表A

第13回 レポートの発表B

第14回 レポートの発表C

第15回 補足説明、まとめ

テキスト,教科書,参考書など   
成績評価の方法   達成目標に即して、ディスカッション等への参加・口頭発表・レポートにより評価します。
備考   
日本語学演習  (2単位)
2〜4年対象 前後期継続(月曜5限) 担当教員  中井精一
授業のテーマ 日本のフィールド言語学から見た北陸富山県
授業の目的と計画

 
 北陸地方は、有史以来我が国の政治・経済・文化の中心地であった近畿中央部と近代以降首都となった東京との中間地帯に位置し、言語をはじめとする文化動態研究のフィールドとして屈指のエリアのひとつと言える。
 授業では先行研究の読解をとおして日本語の地域方言の研究状況を把握するとともに、近隣地域である長野県および新潟県、富山県(呉東・富山市・呉西)・石川県(能登・金沢・南加賀)・福井県(嶺北・嶺南)に焦点をあてるとともに近畿地方中央部(滋賀・京都・大阪・奈良)および首都圏(東京・千葉)等にフィールドワークを実施し、現代日本語の実情について迫りたいと考えている。


理解度達成目標 多くの関連文献の読破と調査を通じて、フィールド言語学の基礎作業ができるようになる。
授業計画(授業スケジュールと計画)

1.日本の地域性と日本語(音声)
2.日本の地域性と日本語(文法)
3.日本の地域性と日本語(敬語)
4.日本の地域性と日本語(語彙)
5.中央日本語と地域日本語(上代)
6.中央日本語と地域日本語(中世)
7.上方語の歴史的展開
8.近代以降の上方語
9.西日本方言と上方語
10.日本海諸地域の言語特性について
11.北陸諸方言の言語特性について
12.富山県方言の言語特性について(近代以前)
13.富山県方言の言語特性について(近代以後)
14.富山県方言の変容と東京化
15.調査票の作成と調査の準備

テキスト,教科書,参考書など 中井精一著「社会言語学のしくみ」研究社
成績評価の方法 平常点とレポート
備考

平成26、28年度のシラバスより抜粋しています