八筋川での調査は今日が二回目。おとといは公民館をお借りしましたが、この日は斉藤甚一さんのお宅にお邪魔しての調査となりました。皆さんお忙しくて何人来ていただけるかわからないということでドキドキしていましたが、なんと8人もの方に協力していただけました。中にはお仕事を休まれた方や、用事があるのに少しだけでもと時間を縫って来てくださった方もいらっしゃいました。

 調査は先日に引き続き、言葉や生活の変化についてお尋ねしました。

 私が調査した方の一人、宮本新作さんが、調査が終わってから「たくさんお喋りして楽しかった」と話しておられたのが印象的でした。私たち調査者にとって、ちゃんとした調査データを持ち帰ることはもちろん大事なことですが、話者の方に満足して帰ってもらうことは、それと同じくらい嬉しいことです。

 調査終了後、斉藤ご夫婦から大変手厚いおもてなしを受けました。斉藤さん、話者の皆様、本当にありがとうございました。

5月17日(土)

 この日は少し早めに出発し、香取神宮を参拝しました。

駐車場のすぐ前には、土産物屋があります。入り口に掛けられた「奉祝香取神宮御鎮座2650年」に驚きながらお店の前を通りかかると、左右からいらっしゃいませと声を掛けられました。後でお店に寄らせていただきましたが、「確かに千葉は落花生が有名でおいしいけど、この辺りに来たのなら団子を買った方がいい」と教えて貰えました。

鳥居をくぐって、緑に囲まれたゆるい砂利の坂道を、等間隔に並んだ石燈籠を眺めなら登っていきます。坂道の先には鮮やかな朱色の楼門があり、その向こうに風格のある香取神宮本殿があります。朝早くにもかかわらず、ちらほらと人影が見受けられました。

 今日の調査の成功と、先生の学会発表の成功をお祈りしてから、八筋川に向けて出発しました。

 佐原の町は不思議な町です。新しい建物と古い建物が入り交じっているのに、全体的に懐かしい感じがします。これは、1996年に重要伝統的建造物群保存地区(歴史的な景観を保存していこうという試み)に選定されたため、それ以降に建てられた建物も小江戸の風景を壊さないような物になっているのだと、後に話者の方から教えていただきました。

 佐原は観光都市ですが、他の観光都市とは少し違います。例えば、観光客の多くはお年の方です。赤ちゃんを抱いた夫婦や修学旅行(それとも遠足でしょうか)の小学生達、それといかついカメラを構えた写真家(のような方)がわずかに見られただけで、道を行く方の多くはお爺ちゃんお婆ちゃんです。だからかどうかはわかりませんが、交通は穏やかで、ゆっくりとした気持で風景を楽しむことができます。

 また、観光施設や土産物屋は、それほど多くありません。お菓子屋、雑貨店、クリーニング屋もあります。住民が普通に生活しているということも含めて、景観が保存されているのだろうと思います。

佐原日記

 中井研究室、大学院生の永森です。今回、平成20年5日15日から17日までの佐原調査を「佐原日記」としてまとめることになりました。メンバーは先生1人、大学院生3人、四年生6名に加え、卒業生で私の先輩に当たる方の協力もあり、全部で11名になります。

それでは、稚拙な文章によるレポートですが、よろしくおつきあいください。

午後からは、三度目になる交流館での調査でした。中には、三日間全て参加してくださった方もいらっしゃいます。

 また、これまで様々な面から協力をいただいていた小林館長にお話を伺うこともできました。高島さんは小林館長から小江戸の心意気をレクチャーされたようで、「粋」や「いなせ」といった言葉に感化されて帰ってきました

 カッチリ調査が有名な高島さん。

 多くの場合、調査は一対一で行います。

※嫁入り船の様子(千葉県佐倉市のホームページ)

http://www.sawara.com/ayame/yomenn/index.htm

 「ヒャクマンベン」という行事を実際に体験しました。一番右が川島会長です。

 調査終了後、八筋川で食べられているお漬け物や小豆のお菓子を頂きました。三人にしてはびっくりするくらいの量です。「これが八筋川の歓迎の仕方だよ」と川島会長が豪快に笑っていらっしゃいました。予想外の歓迎に心もお腹もいっぱいになって帰路につきました。本当にありがとうございました。

5月16日(金)

 この日は午後から、再び佐原町並み交流館で聞き取り調査を行いました。

 調査の後、吉田さんのご厚意で、町中を案内してもらうことができました。
 この日、昨年中井研究室を卒業された宮多先輩が合流しました。佐原に興味があるということで、次の日から調査に協力していただけました。

 一方、別班は車で香取市八筋川へと向かいました。佐原から水郷大橋で利根川を越えると、田植えが終わったばかりの田園が広がります。その広さは、新潟県出身の武石さんが思わず「懐かしい」と言ってしまうほどです。これは話者の方に教えてもらったことですが、千葉県と富山県は緯度が変わらないため気温がそれほど違わず、田植えの時期もほとんど同じだそうです。湖東小学校の前の商店で道を聞いて、迷わずに本津公民館へ行くことができました。

私たちが到着した時点で公民館では話し合いは終わっていて、私たちを待っていてくださいました。ご協力くださった新島老人クラブの川島会長を含め、なんと16人の方にお話を聞くことができました。

 私が話を聞いた方は八筋川の外からお嫁にいらした女性の方が多く、八筋川に来られた時の話がとても興味深かったです。橋が架かる前のかつての八筋川は船しか移動手段が無く、花嫁は船に乗って来るそうです。

 中心市街地の班は、佐原町並み交流館の一室をお借りして調査を行いました。交流館は三菱銀行の建物を利用したもので、外観・内装ともに特徴的です。交流館の中も数々の佐原に関する展示で飾られていて、それを見ているだけで時間が過ぎてしまいそうです。優しそうな小林館長と、「小野川と佐原の町並みを考える会」の吉田昌司さんに案内されて、交流館の中を進みます。数年前にもご協力いただいた飯島さんの紹介で、5人の方にお話を伺うことができました。
 

 さて、佐原の町をしっかりと見たあと、午後からは実際に調査が始まります。巡見に引き続き佐原中心部で話をうかがう班と、八筋川で行われる定例会にお邪魔して調査を行う班に分かれました。
5月15日(木)

 調査初日。この日は朝から千葉県香取市へ向かい、午前中は佐原の巡検を、午後からは二手に分かれて調査を行いました。中井研究室の調査で6、7年くらい前まではたびたび佐原へ行っていたらしいのですが、今の学生は全員初めて行く香取市なので、しっかりした下準備と巡検を行いました。小江戸と呼ばれる佐原は江戸の町並みが今も残されており、例えば軒先に掛かる提灯には「江戸を支えた 商家の町並み 重要伝統的建造物群指定」と書かれています。景観を大切にしようという住民の意識が窺えます。水の郷百選にも選ばれる佐原を小野川に沿って歩いていると、次々と新しい発見があり、とても面白いです。

 調査が終わってから、諏訪神社を見学しました。山の上にある神社で、長い石段が特徴的です。お祭りの時には人でにぎわうだろうこの場所も、この日は緑に包まれた静かな高台でした。

 長い長い階段を上った先にある神社(私たちは車で失敬したんですけど)からは、佐原の町が見下ろせます。たくさんの方のお力添えのおかげで、無事三日間の調査を終えることができましたと、この町と住民の皆様への感謝を諏訪神社の神さまに告げて、帰路につきました。

 美女に囲まれた齋藤さん。

  このハイカラな交流館で調査を行いました。

観光協会の方からも町の様子を聞きました

 佐原の大祭の目玉、山車の様子で飾られた街灯