卒業生のことば
宮下 太輔
私が所属する日本言語文化コースでは,大きく分類すると,専門とする内容によって日本語学と日本文学の二つの分野に分けられています。私は方言学を専攻しており,これは日本語学の専門内容といえます。方言を研究するには,もちろん机に向かっての勉強もありますが,それ以上に,現地に赴いて,その土地の歴史や,人々の暮らしぶりを眺めながら方言を研究する,いわゆるフィールドワークが必要不可欠になります。これまでにも,山形,千葉,奈良,鳥取,香川など,全国各地で方言調査を行いました。また,富山県でも全域にわたって調査を行い,一つの成果として,『富山県言語動態地図』を作成しました。                                          
私が,方言を学ぶことによって得たものは,専門の知識ももちろんですが,それ以上に「人との接し方」を学んだと思っています。大学で得るものは,単に知識だけではありません。何を得るかはその人の目的意識に関わってくるでしょう。より大きな成果を得るためにも,調査を通して,自身をしっかり見つめていきたいと思っています。
                                                                                                 (2002年度版「富山大学案内」より抜粋)
濱田 隆文
私は、福井県の若狭地方の高校から富山大学に入学しました。入学後、出身地を知らせずに話をすると、みんな私を関西人であると思っているようでした。それ以降、自身の話すことばにはどのような特徴があるのか、日本語にはどんなバラエティがあるのかが知りたくて、強く興味を引かれるようになりました。
富山大学人文学部は、考古学や人文地理学、文化人類学や比較社会論などのフィールドワークを通して様々な地域の人々と触れ合い、現場の生きた日本語を通じてフィールドワークは、多様な人との対話を通じて他者を鑑として自分を見つめることのできる貴重な機会です。
言葉と、そして自分というものを常に見つめながら学んでいる毎日です。

(人文学部2008パンフレットより抜粋)
齊藤 孝幸
私のいる日本語学研究室では、現代日本語の研究と日本語の歴史を研究する2つの研究手法をとっています。
ことばはその人が暮らす社会や文化と密接に関わっていて、年齢や性別はもちろんのこと、さまざまな社会的要因によって多くのバリエーションをみせています。私は、そういったことばの外側に広がっている事象とことばの関係に興味を持ちながら、地方方言に注目して現代日本語の研究に取り組んでいます。
私たちの研究でもっとも重要なことは「現地の人の生の声」を聞くことで、そのためフィールドワークの準備にかなりの時間を費やしています。良質のデータを収集するためには、調べられる限りの準備をし、発表を繰り返すことで情報の共有をはかりながら、時には深夜に及ぶまで大学に残って調査の準備をしています。それは、「調査は調査に出向く前にその成否の大方は決まっている。」という卒業していった先輩たちのことばを私たちが受け継いでいるからにほかなりません。
現地調査は、見知らぬ土地に出向き、はじめてみる美しい風景や見知らぬ人との出会いがあって、多くの発見が自身を刺激し、感動の連鎖につつまれることもめずらしくありません。私たちはフィールドワークをとおして、問題を発見し、その解決方法を考え、それを解決するために努力する能力を養っていると思います。
忍耐力と行動力、そして明るさ、どれも自信過剰なほどの自信があります。
(2008富山大学求人のための大学紹介より抜粋)