Christian Morgenstern
(1871-1914)
Christian Morgenstern(クリスティアン・モルゲンシュテルン)は、1871年に生まれ1914年に亡くなったドイツの詩人です。ちなみに1871年は普仏戦争が終結した年、1914年は第一次大戦が始まった年です。

モルゲンシュテルンはいわゆる「真面目」な詩も多数書きましたが、代表作はやはり諧謔(ユーモア)詩集の"Galgenlieder"(『絞首台の歌』)でしょう。

以下に彼の諧謔詩の魅力をキーワードで示し、それに対応する(と私が思う)作品名を挙げてみました。下線がついているものは拙訳でお読みいただけます。翻訳ではモルゲンシュテルンの巧みな韻の面白さが伝わらないのが残念ですが、無邪気なようでいて不気味、かつ謙虚でもある Galgenlieder の世界を、ぜひ一度のぞいてみてください。
キーワード・キーセンテンス 詩のタイトル
 愚行の楽しみ
 この詩集は「男の中の子供へ」捧げられた
 (後に「人間の中の子供へ」と改められた)
 絞首台からは世界はちがって見える
「絞首台兄弟の盟約の歌」
「死刑執行人の娘ゾフィーに捧げる絞首台兄弟の歌」
「否!」 「絞首台山」
 物と人間の奇妙な交流
 動物の闖入
 物への感情移入・共感
 万物の霊長の人間にはできなくて他の動物にはできること
 比喩なのか?
「二本の壜」 「撃ち捨てられたテラスの揺り椅子」 
「ブロンドのコルク栓の歌」 「シャツ」 「ランプ」
「鶏」 「馬」 「馬車馬」 「動物服を着て」
「ビム、バム、ブム」
「菓子パンの包み紙」 「製本されたコルフ」
「人間のシンボル」
 ことばによる可能世界・虚構の構築
 不可能な風景、(これまた比喩なのか?)
 慣用句の解体、語呂合わせ
 創作動物
 隙間の発見
 命名、ことばの迷信
 意味からの解放
「ギングガンツ」 「膝小僧」 「ため息」 「漏斗」
「投げ捨てられた猟銃」 「とんぼ返り」 「オスト」 「竜巻」 「句読法の王国で」
「ナゾベーム」 「イシウシ」 「ミズロバ」 「ハチブンノサンウサギ」 「ツキヒツジ」 「人狼」 「蟻学」
「垣根」 「西海岸」 「化粧術(フリッツ・マウトナーに)」 「犬の墓」
「チンプンカンプン村」 「大ラルーラ」 「魚の夜の歌」
 不思議の発見・享受
 人間の中の子供
 世界の新入り
「哲学誕生」 「パルムシュトレーム」 「絵」 「ヨーロッパの本」 「壁紙花」 「夢みる人」 「パルムシュトレームはたたえる」
「かもめの歌」 「接近」 「エルスター川」 「ある悲劇の構想」
「地球号」 「里程石」 「名無し(小さな怪談)」 「逆もまた真」
『絞首台の歌』に興味をもたれた方は、拙論「クリスティアン・モルゲンシュテルンのグロテスク:『絞首台の歌』に関する一考察」(PDFファイル)もぜひお読みください。


関連書籍・記事

(もっと『絞首台の歌』収録の詩を日本語で読んでみたい人のために)
・種村季弘訳 『絞首台の歌』 書肆山田、2003年

(とりわけ謎の生き物ナゾベームに興味をもった人のために)
・ハラルト・シュテュンプケ、日高敏隆・羽田節子訳 『鼻行類:新しく発見された哺乳類の構造と生活』 思索社、1987年 (平凡社ライブラリー版、1999年) (モルゲンシュテルン オオナゾベームという種が図版つきで紹介されています。)

・カール・D・S・ゲーステ、今泉みね子訳 『シュテュンプケ氏の鼻行類:分析と試論』 思索社、1989年 (『鼻行類』の後日談です。)

・宮内伸子「哺乳類の珍奇な新種と火星人がかつて現実世界へ侵入した話」『言語』 2001年5月号、大修館書店 (この拙文が、2003年の岩手大学の国語入試問題に素材文として採用されているのを、だいぶ後になって知りました。)

・ハインツ・ホリガー作曲「クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌」が、2010年2月に、名古屋フィルハーモニー定期演奏会で日本初演されました。演奏会プログラムに掲載された歌詞対訳をここに転載します。(2014年9月19日に「スーパー・ソリスト meets 新日本フィル《ハインツ・ホリガー&新日本フィル》」と題したコンサート(於:すみだトリフォニーホール)で再演され、その際にも同じ歌詞対訳が配布されました。)

・宮内伸子「モルゲンシュテルン没後百周年に寄せて」が日本独文学会ホームページの文学コラム欄に掲載されました(2014年4月9日)。以下のURLをクリックするとお読みになれます。
http://www.jgg.jp/modules/kolumne/details.php?bid=100

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